Youtubeからの転載です(
https://www.youtube.com/watch?v=_6OUGRsslJY)。
中国の通信機器大手メーカーであるファーウェイは、自社の最新スマートフォンに搭載された人工知能(AI)
によってシューベルトの交響曲第7(8)番 ロ短調 D.759「未完成」の第3・第4楽章を作曲し、「未完成交響
曲を完成させる」というプロジェクトを立ち上げました。その方法は「未完成」を始めとする数多くのシュ
ーベルトの作品をAIに学習させてパターンや構造を解析させ、その上で半年の間に20種類のメロディ候補を
作成させて、それをエミー賞の受賞経験もある作曲家ルーカス・カンター(Lucas Cantor)が1ヶ月の間に
管弦楽用に編曲するというものです。この作業では、シューベルト自身が途中まで書いていた第3楽章のス
ケッチは全く利用されていないようですが、完成した4楽章編成の交響曲は2019年2月4日にロンドンのカド
ガン・ホールでイングリッシュ・セッション管弦楽団の演奏により披露されました。この動画はそのときの
実況録音になります。
ただし、第3・第4楽章(24:34~)に対する感想が書かれた転載元のコメントを見ると「AIによって管弦楽
曲を作曲する」という技術的革新については一定の評価を得たものの、後半楽章がシューベルトの作風であ
るかどうかについては否定的な見解が多いようです。
そして音楽評論家からの評価はさらに厳しく、フランスのフィガロ紙は「第3楽章はメンデルスゾーンの
『スコットランド交響曲』やスメタナの『モルダウ』に似たアクセントがある」「第4楽章は『アサシンク
リード』予告編だ」とシューベルトの作風でない要素が多すぎるとして、アサシンクリードに引っ掛けた
「シューベルト殺害」の見出しを付けました。また、シドニー音楽院准教授のゲッツ・リヒター(Goetz
Richter)は、シューベルト自身が作曲した前半の楽章には作曲家の精神が存在するが、後半にはそれがな
いとして「ファーウェイのスマートフォンには、シューベルトの研究家の連絡先は入っていないようだ」
と強烈に皮肉っています。
イングリッシュ・セッション管弦楽団
この説明文は、以下のサイトを参考にしました。
https://www.digitaltrends.com/mobile/huawei-ai-unfinished-symphony/