早く帰りたいよ
陽射しを含んだ空
赤よりも赤い雲
見慣れない景色 心騒ぐ
目を刺す葉の緑
火照った夏の額
誰も存在には気付かない
湿った指の間
いつもより広い歩幅
形ない焦燥が汗をかかす
ただの蛋白質を
必死に抱えながら
鳩の死体は見て見ぬふり
不自然な感覚と
遅すぎた後悔を
リュックに詰めて
現実逃避した
白昼夢 三千里
どこまで行っても終わらない
子供時代に見覚えのない
風景が足を急かす
妄信的な住人の目
おかしいのはこの体だけ
夏と孤独が乱反射して
ひどく脳を刺す
暑い季節の端
家とも言えない家
塗装の剥げた白いポスト
後ろは振り向かない
顔は絶対上げない
一人の体 一人で抱きしめた
夙夜夢寐 曖昧に
どこまで行っても終わりはない
誰も住んでない団地の窓
東屋に居座る陰
きっとこの街は変われない
いつか空さえ呑み込んでしまう
ただただ保身に走るように
目を細める
白昼夢 三千里
どこまで行っても終わらない
子供時代に見覚えのない
風景が足を急かす
妄信的な住人の目
おかしいのはこの体だけ
夏と孤独が乱反射して
ひどく脳を刺す
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