ジャニーズ事務所は7日、創業者の故ジャニー喜多川氏による性加害問題を巡って会見し、藤島ジュリー景子社長(57)が責任を取って5日付で辞任したと発表した。藤島氏は性加害の事実を認めて謝罪。新たに代表取締役社長に就任した東山紀之氏(56)は性加害について「鬼畜の所業」と表現、喜多川氏に対し「今は愛情はほとんどない」と語った。東山氏は経営に専念するためタレント活動を年内で終え、事務所の再生を急ぐ。
同事務所は同日、性加害問題について初めて会見した。藤島・東山両氏、デビュー前の若手「ジャニーズJr.」を育成する関連会社ジャニーズアイランドの社長、井ノ原快彦氏(47)も同席した。
藤島氏は会見で「事務所としても個人としても、ジャニー喜多川による性加害はあったと認識している」と述べて謝罪した。同氏は社長を辞任したが、被害者への補償にあたるため、当面は代表取締役にとどまり、事務所の株式も100%持ち続ける。ただ、業務の執行には関わらず、「補償が速やかに進めば代表取締役からも降りることを考えている」という。
喜多川氏の姪でもある藤島氏は「同族経営が問題だという指摘もいただいているので、(保有株を)今後どうすべきかは新経営体制の方々と協議していきたい」と述べた。
東山氏は、一連の性加害は「人類史上最も愚かな事件」と指摘。「大変な道のりになるが、まず一歩を踏み出さなければいけない」とし、「失った信頼を取り戻すのは時間がかかるが、今後の人生をかけ、命をかけてこの問題に取り組んでいく」と語った。
さらに、自身はこれまで性加害者でも性被害者でもなく目撃者にもなったこともないと強調したが、「(喜多川氏による性加害の)噂は聞いていた」といい、「自ら何も行動できずにいた」と述べた。
井ノ原氏は喜多川氏に対し、なぜ亡くなる前に「しっかり落とし前をつけてくれなかったのかという思いが今もある」と話した。
「ジャニーズ」事務所という社名を存続させるかは今後も検討する。東山氏は「ジャニーズは創業者の名前でもあり、グループの名前にもなっているが、何より大事なのはタレントが培ってきたエネルギー、プライドだとも思う」と説明。「エンターテインメントは人を幸せにするためにあるもので、喜多川氏に関してはそうじゃなかったが、その力を信じたい」と語った。その上で、社名変更は「検討の余地」があるとも話した。
被害者の心のケアについて東山氏は「被害者は数百人の可能性がある。大変センシティブな問題。心のケアという窓口を作って、そこで声を上げてくれたら嬉しいが、なかなかそういうことは難しいだろう。どのぐらい時間かかるか分からないが法を超えて救済・補償が必要だ」と話した。