ヲシテ文字は、暦の中に置かれたヒトのイジネーションを形にしたものである。
ヒトは、自然環境の中で生きている。
太陽の運行によって、地上に降り注ぐ光の向きと強さが変化し、朝、昼、夕方、夜、そして夜明けを作り出す。太陽の高さと光の向きと強さを手がかりとして、方位、方角が決まる。
方角、方位、日照、季節は、時間と空間を区切っていくものである。
これらをまとめると、暦となる。つまり、暦は自然環境の大事な部分を抽出し、抽象化したものである。
一日のうちの朝・昼・夜の移り変わりを見ていこう。
横線は大地である。
左側から太陽が上り、右側で太陽が没する。大地は、日の出と日没との間に横たわる。ヒトは、大地に支えられて生きている。
次は太陽光を示すイメージである。
縦線は、南中線である。
太陽は、大地の端から上り、天空をゆっくりと移動し、南中し、やがて西の空に傾き、地平線に没し、姿を消していく。大地は、太陽に照らされることで姿を表し、太陽が没することで、姿を隠していく。そして、夜のとばりが下り、闇に包まれていく。
太陽が最も高い点と真夜中を結ぶ線が南中線である。
大地と太陽の動きとを組み合わせると
大地を表す横線は、日の出と日没を表す線である。
縦線は、太陽光を表す南中線になる。
ヒトは、大地と南中線との交点に立っている。
言い換えると、日の出-日没線と南中線との交点に立っている。
このように暦の中に立つヒトのイマジネーションからヲシテが生まれる。