Youtubeからの転載です(
https://www.youtube.com/watch?v=i-vtSWEs5aQ)。
デュッセルドルフ大学の教授である音楽学者ヘルガ・テーネは、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティー
タ第2番 ニ短調 BWV1004の終曲「シャコンヌ」について、「バッハの旅行中に急死した彼の先妻マリア・
バルバラへの追悼曲である」という仮説を唱えました。この仮説は彼女の同僚であったヴァイオリニストの
クリストフ・ポッペンの興味を引き、彼はシャコンヌを編曲して地元の合唱団と「異説によるシャコンヌ」
を録音しました。
この試みは主だったバッハ作品の演奏家や専門家から否定的な反応をされましたが、実際に編曲版を聴いて
みると予想以上に美しい響きで、なかなかに優れた編曲版だと感じます。何より、シャコンヌはこれまでに
200種類以上の編曲版が作成されたと推測されており、シャコンヌを追悼曲と解釈する編曲版はそれらのう
ちの1つとして充分に認めてもいいように思います。
マルコ・セリーノ(ヴァイオリン)
ザルツブルク・モーツァルテウム四声合唱団