世の中に さらぬ別れの なくもがな 千代もと嘆く 人の子のため 『古今和歌集』 在五中将業平
作曲作曲:岡村孝子
1
静かな青空から風花舞い降りてく
あなたがさよなら確かに囁いた
二度とは始まらないあなたの時計(とき)を抱いて
ひとりで立ちすくんで静寂(しじま)をさまよう
数知れず困らせたことも
何ひとつ償えないまま
永遠に来ない明日があることを知った
ふり向けばいつでもそこから
そっと手を差しのべてくれた
あなたを今でもどこかに探している
2
あなたの娘としてこの世に生まれたこと
遙かな道のり誇りに思ってる
こんなにはかなくとも生命(いのち)という灯し火
燃やすことの尊さ教えてくれてた
もし願いが叶うのならば
あの日に帰って伝えたい
言えずにしまったありがとうのひと言を
ふり向けばいつでもそこから
そっと手を差しのべてくれた
あなたを今でもどこかに探している
瞳とじればどんな時も
微笑みを投げかけてくれた
あなたは私の心に生き続ける