1082話
『FILM RED』副音声上映
作者「ウタですよ。
映画と漫画との関係性について僕が考えているのは、“漫画は漫画をずっと読み続けている人がいて、その人にとって意味の分からないコマってあっちゃいけない”と思っているんですよね。
だから基本映画のキャラクターって(漫画に)出てくることってないんですよ。混乱しちゃうから。知ってて当然とは勿論思ってないし、出しちゃいけないって分かっているんですけど。
あのコマってどういうことかっていうと、シャンクスが台頭してくる若者達の子供の頃をバッと思い浮かべるんですよ。あれってシャンクスの頭の中なんですね。ルフィがいて、モモの助がいて日和がいて…。
だからシャンクスが回想するのならば「ウタいないと鬼すぎない?」と思ったんですよ。
映画は僕の中には存在する世界なんです、必ず。僕の中ではね。
だけど、『漫画しか読まない人達には余計な情報を与えない』ってルールがあるだけで、そうなってくると…。
『映画は存在する』という説得力としては、シャンクスは絶対頭に思い浮かべるんですよ、ウタを。
だから、『せめてこれくらい描かせてね』ってコマのすみっこに影でちょっと描かせてもらったんですよ」