櫂の砂/ちゃろえもん
vocal:ちゃろえもん
Illust:Pixabay
惑星が少し増えて
増えたことも忘れた頃
鼻先を凛と凪いだ 波風に竦む
手のひら 零れ落ちていく
はぐれた海くずの
映した光がずっと瞼に
消えかけの電池が気掛かりでいる
それが毎日で
心臓だけが下手に鳴り続く
それが毎日で
蹴った小石が作った波に
揺れる星明かりだ
あの海にだって果てはあった
選んだ風だ 行こう
虚勢を張り旅立った
虹の根と地続きの 今日を通り過ぎている
後悔は幾つあった
前は向くも失うも 上手くはいかないで
キャンバスを背に声を嗄らしてる
生まれた星で増えていく
枷に沈む深い海
波間に浮かぶ月の下
息は吸っておいて
帆を揺らす風が 頬を鋭く刺した夕暮れに
遠く歌う波音を忘れないでいる
この先の未来を前に
怖くてもこの目を閉じ 息を深く吐いた