にっかり青江は優しい刀なのだろう、と山姥切国広は思う。
本刃に言えば否定するか、上手く躱されてしまうことは自明の理ではあるが。
山姥切国広の目には、彼は誰かからそう思われることを厭うているように見えた。何故かは知らない。元々表情に出る刀ではないから、これは勝手な想像とも言える。
道端に落ちた虫の死骸をじっと見つめていた。街に出れば誰よりも早く迷子の声に気付いた。これほどまでにわかりやすいのに、彼はいつも張り付けたような笑顔でその優しさを靄の中に隠してしまう。
そうして一瞬だけ、その感情に恐れを抱いたような顔をする。
にっかり青江の優しさは、いつも靄の中に潜んでいる。
しかし山姥切国広はそれを知っている。
彼が優しすぎるが故に痛みを抱えやすく、そしてそれを隠すのが上手い刀だということを。
だから、彼がこの遊戯に参加すると聞いた時は一抹の不安を抱いた。
きっと嫌な顔ひとつ見せずに参加するだろう。しかし、痛みを隠し続けたその果てに、何か綻びが生まれるのではないかと。
そう思わずにはいられなかった。
あけましておめでとうございます。抜丸のおかげでお年玉をあげる側の喜びを知りました。
シナリオだけでなく本丸にも物語を作っても面白いのではと思いましたもので、幕間のようなイメージでこちらに短い文をしたためてみました。試験的なものではありますが、しばらく続けてみようと思います。
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