痛みよ
嬉しいよなんて 思ってもないことを言った
崩れた髪ずら 直す余裕も無くなった
ただ風の吹く方に流されて 歩いていただけで
舞い込んだ幸運は すぐに消え去った
埋め尽くされていた感情は 裏に返った
表には何も 代わるものがなかった
日が傾くのも 待たないで
ありがちな言葉を
告げたあとに 道を折り返した
何処へ? 捨てにゆけばいいんだよ
忘れていった鍵飾りを
誰に? 言葉を尽くせるんだろう
全身の感覚も無くなって
息が詰まる訳が何なのかさえ言えない僕に
一番大きな望みほど
一番欲しかった未来ほど
僕の手をすり抜けて
本当に胸が痛くなったんだ
痛みよ 痛みよ
早く僕を殺してくれないか
唯一の光も失って
涙の出し方も知らなくて
もう死んでもいいなんて思っている 馬鹿な僕を
次の歌を急いで 作り始めたんだ
最初から独りだったと 思い出したくて
不思議と 満ち足りていた頃よりも
旋律はスムーズに
連なって どうしてか嫌な気分だった
どんな風に笑えばいいんだよ?
未だ傷が治らないのに
どうやって忘れたらいいんだよ
足りなくなった意味を 軽薄な
関係で塞いでしまおうとした愚かな僕がさ
一番大きな望みほど
一番欲しかった未来ほど
僕を壊していたよ
ずっと幻覚と戯れていたんだ
痛みよ 痛みよ
二度と僕を離したりしないで
全部が一時の風だった
僕は揺らいでいるだけだった
そうやって自分勝手に狂っていったんだ
まだ痛いんだ
一番大きな望みほど 一番欲しかった未来ほど
僕は掴むのが怖かったんだ
あんなに大嫌いだった言葉が 今更刺さっている
僕も同じような抜け殻になって
もう戻れなくなった
痛みよ 痛みよ
早く僕を殺してよ もう
唯一の光も失って
全部が無くなって欲しくて
最悪な死に様で逝きたくて
最低な歌を君に刻んで
どうか不幸になって
ウチダナオヤ