#21 追憶、かつて経験したはずの喪失と郷愁について
「夏の追憶と餞」に収録しました。表題曲です。
思い至る想い出の全てを銘々等してみました。
◆作詞・作曲・編曲 : 夜風見
◆歌唱 : 重音テト
◆動画 : モルテン
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https://youtube.com/@16moruten?si=0WzvlaJG5DhUwXFH-歌詞-
遥か青と青の境目
潮風が駆け熱を運ぶ
飛沫を上げながらはしゃいだ
もう何処にもないノスタルジー
背高雲が遠くを行く
土瀝青が白く霞む
深い木陰に日が煌めく
煙るように満ちたのは天気雨
背中を辷る汗の軌跡
やけにじりつく蝉の時雨
仄かに甘い西瓜の味
貴方だけ抜け落ちたこの季節
頬を伝っていく 伝っていく
今落ちた雫は日差しが痛いから
影法師がじっとりと染みて拭えないままでいる
夜は胸がときめくこと
曹達が吹き零れること
そんな日々は短いこと
今は全てが過ぎたこと
さぁ、
色めく風景、光る町並木
虫が湧いて花が咲いて訳もなく切なくなって
さざめく誰そ彼、気怠い晴天
掻き鳴らす、ファイアワーク、凪と網戸、藍の帳
薄暮響く風鈴、遊ぶための約束
ペトリコーレ、背伸び、逢瀬、夏祭りと浴衣姿
袖でひた拭う汗、不意に髪を撫でる夜風
もう帰らない
暗がり雲がさめざめ泣く
土瀝青を黒く染める
靴を濡らして道を歩く
塞ぐように満ちたのは俄雨
暑気に潜んだ終わりの気配
やけに恋しい蝉の時雨
積まれたままの課題の山
貴方だけ抜け落ちたこの季節
頬を伝っていく 伝っていく
今落ちた雫は貴方が居ないから
陽炎に透ける遠景が見せたのは幼い日
夜は胸がときめくこと
曹達が吹き零れること
そんな日々は短いこと
今は全てが過ぎたこと
さぁ、
色めく風景、光る町並木
虫が湧いて花が咲いて訳もなく切なくなって
さざめく誰そ彼、気怠い晴天
掻き鳴らす、ファイアワーク、凪と網戸、藍の帳
薄暮響く風鈴、遊ぶための約束
ペトリコーレ、背伸び、逢瀬、夏祭りと浴衣姿
袖でひた拭う汗、不意に髪を撫でる夜風
もう帰れない、もう帰れない
あの事件も、あの未練も、あの景色も、あの気持ちも
忘れ去って、忘れ去って、残滓だけがこびりついて
かつて経験したはずの喪失が未だに焼き付いていた