むかし、むかし、ある所におじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へ盗聴器刈りに、おばあさんは川へ盗聴器刈りに行きました。
おばあさんが川で盗聴器を探していると大きな5G電波がどんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。
おばあさんは慌てて頭にアルミホイルを被りましたが、川の流れによって加速した5G電波には敵いませんでした。
5G電波はおばあさんの体内を駆け巡り全身の血を沸騰させます。
その痛みに悶え苦しむおばあさんに止めを刺すかの如く、天から雷鳴が轟き、大地を揺るがします。
そう、おばあさんは人工衛星に居場所を特定されてしまったのです。
そして人工衛星は5G電波でおばあさんの脳をハッキングしました。
するとおばあさんの体に異変が起こります。
手足はタイヤに変形し、心臓は力強いエンジン音を鳴らし、骨肉は全て金属のフレームへと置き換わりました。
「ブゥゥゥゥウウンww!!」「ブゥゥヮヲヲアァァァアンwwww!!!!」
おばあさんは悲鳴を上げようとしますが、その声はエンジン音にしかなりません。
ですが、その魂を揺さぶるエンジン音はおじいさんの鼓動に共鳴します。
エンジン音はおじいさんの体を駆け巡り、体内で熱い何かが弾けます。
気が付いた時には、おじいさんはかつてのおじいさんではありませんでした。
「ワッヒャーーホッホォウwwww!!」
今やそこにおじいさんとおばあさんが居たことは誰も知りません。
その痕跡は全て消し去られてしまいました。
しかし、今の彼らに出来ないことは何もありません。
過去の自分を取り戻すため、新しい道を切り開くため、おじいさんとおばあさんは旅に出ました。
o孕o______。