ウクライナ軍がいかにして1,000人以上のロシア軍を排除し、ドネツク市を占領したのか
2024/03/02
ウクライナ軍は、1,000人以上のロシア軍を戦場から排除したとされる同日に、交戦中のドネツク地域の都市を制圧したと主張している。敵が足場を築くのを防ぐために、第 3 別個突撃旅団の部隊と第 1 および第 2 突撃大隊の兵士が都市から敵軍を一掃する戦闘作戦を実施した。
(話題) ウクライナでの戦いは、ロシアが一方的に侵攻した戦いである。
ロシアが侵攻していなければ、この戦争は起きてはいなかった。ロシアは侵攻後、占拠した地域で市民を残酷に殺害してきた。
ミサイルや砲弾で市街地を爆撃し、多くの市民を殺害した。そこに、軍事施設があるわけではなく、市民の殺害を狙って爆撃したのだ。
今回の侵攻で欧州諸国や日本は、ロシアによる戦争行為が自国に及ぶ危機を感じ、あらゆる関係においてロシアは絶対にパートナーとすることができない国として、その脳裏に深く刻まれたことだろう。
両軍は今後の戦いをどう見積もっているか
2023年年末の記者会見で、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は次のように発言している。
「我々が目的を達成すれば(ウクライナに)平和が訪れる」
「前線のほぼ全域で我が軍の状況は、控えめに言っても改善しつつある。我が軍は作戦を活発に展開する段階にある」と。
プーチン氏が言う「平和が訪れる」というのは、現実には「我々の要求を受け入れなければ、戦争はやめない。やめてほしければ、我々の要求をすべて受け入れよ」と言っていることと同じである。
全く理不尽な話だ。ロシアはそうした国なのである。
弾薬が枯渇して戦えない状態になれば、初めにハルキウが占拠される。次に港町オデーサを占拠される。さらにウクライナを南北に流れるドニプロ川の東岸まで占拠されることになる。
両軍が、ほぼ現有の戦力で戦う場合の停止線はどこか
ロシア軍は、大統領選挙まで、またウクライナにF-16が供与されるまでにできる限り前進することを考えているだろう。
そのロシア軍は、かなり消耗した現在の戦力で戦いを継続しなければならない公算が高い。
ウクライナ軍は、弾薬の供給が欧州からだけとなり、しかも予定よりも遅く不足がちである。
しかし、戦う能力は現在と同じだが、この夏にはF-16が20機以上供与される予定である。
両軍にとって最も可能性が高い停止線はどこか。
ロシア軍が達成する可能性が高い目標線は、ドネツク州完全占拠であろう。
現在の接触線から、ドネツク州の境界に到達することで精一杯だろう。