「お互い、この街を清潔にしましょう」
右も左も分からずさまよってた私に、優しく声をかけてくれたアルフレートくん。
子供のような無邪気な笑顔が素敵なアルフレートくん。
とてもかわいかったね。
「これは、お近づきの印に」
ボクの手を握って渡してくれた発火ヤスリ。
あの時少しだけ触れた君の手。冷たくて、優しくて、忘れられなかったな。
「それでは、また。楽しいお話でした」
通じあっていたねボクたち。
いつも君のことを想っていたよ。
「だから私は、師の遺志を継ぐために探しているのです」
ボクは君のことをじっと見ていよ。
でも、熱に浮かされたように血族のことを語る君は、
「私はすぐに出ます。その前に、あなたの感謝の印を」
喜んでくれた。優しいね。
お返しに噛んであげようと思った。
どこに行っちゃったのかな、アルフレートくん。
「なぜ、私に、刃を向けるのです?」
痛かったよね。一緒にいたかったよね。
どこに行っちゃったのかな。
血が出たら、きれいにしないとね。
でも、アルフレートくんは大丈夫だよ。
ボクが、アルフレートだから。
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