なかったことになるかな。
歌 :星界 公式サイト
https://musical-isotope.kamitsubaki.jp/product/sekai/他 :雨森文庫 X
https://twitter.com/unackky無意識に餌をやったのは起き掛けの日課 片眼を開いて
深緑色の四角い檻にあてなく泳ぐ小さく泡だけ浮かぶ
縁日か叔父の土産か 記憶の片隅で靄がかかってる
覗き込んだ小さな箱庭 不釣り合いな塊二つ
目を塞ぐような後悔をしたあとで
事務的に済んでしまう祈りと後始末
忘れる手段なら教わってすら無いけれど
時間が経てば良くなる 僕も似たようなものだ
死ねって言われたから首吊る準備をしていた
従うことばかりをいつも強要していたくせに
無様に着飾っては大声で喚いてる
心は死んでいた いつから死んでいた
曖昧な言葉が誰かを傷付けてしまったことや
切っ掛けを知らないから美談になってしまうことも
あと何度謝れば許してくれるのかな
あと何度殴られればいいのかな
多分出来る限りのことはしたつもりだけど
それが正しいことだったかわからない
飛び降りるにはもう高くなり過ぎた日常
独り言だけは人より上手くなった
耳触りの良い言葉だけ胸の奥に落として
濁った水槽の中で黒ずんだ腐った魚
誰の目にも映らずその生涯を終えたら
なかったことになるかな 生きたことになるかな
一度も呼ばなかった君につけた名前は
あの頃の僕にとってはきっと大事だったんだな
恨む暇もないくらい必死で生きていたか
生きていたかったのか ごめんな