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1944年(昭和19年)1月15日 横須賀海軍観兵式
1940年(昭和15年)10月11日 大元帥陛下親臨 紀元2600年特別観艦式
古典風軍楽「吉志舞」1943年(昭和18年)
伊福部昭
横須賀海軍観兵式
大軍艦旗の下、皇国必勝を誓う横須賀海軍観兵式は、1月15日、帝国海軍発祥のゆかりも深い同海兵団練兵場で盛大に挙行さる。豊田鎮守府長官、晴れの式場を圧して居並ぶ精鋭を閲すれば、海の強兵の胸は高鳴る。ついで、輝く大軍艦旗を掲げ、歩武堂々の分列行進。皇国鎮護の大任や重し。海の強兵。決勝の気迫は既に敵を飲み、米英撃砕の決意を見よと、地軸を蹴(け)って行進する。誠に頼もしき限りでありました。
紀元2600年特別観艦式
かしこくも大元帥陛下には、紀元2600年祝賀の特別観艦式に御親臨あらせられるため、10月11日、宮城を御発輦(ごはつれん)、鹵簿(ろぼ)を横浜港に進めさせ給う。
伏見軍令部総長宮殿下をはじめ奉り、及川海軍大臣、山本観艦式指揮官、塩沢横須賀鎮守府司令長官らの奉迎を受けさせられ、御召桟橋より御召艇に僑居(ぎょうぎょ)。天皇旗、燦(さん)として輝く。奉礼砲、殷々(いんいん)と轟(とどろ)くうちを先導艇、供奉艇(ぐぶてい)、列外艇(れつがいてい)を従えさせられ、御召艦比叡に向かわせられました。
(君が代演奏)
かくて山本観艦式指揮官は、松平式部長官を従えて、前艦橋(ぜんかんきょう)に出御を奏請すれば、陛下にはかしこくも前艦橋の玉座に出御あそばされ、親しく帝国艦隊の威容をみそなわせ給いました。
波荒き太平洋を守る連合艦隊の旗艦長門をはじめ、海の精鋭100余隻、満艦飾を施し、6つの縦列をしいて水天の彼方まで連なり、瑞光満つる空には海軍機500余機、銀翼を連ねて式場に進む。
かくて戦時下銃後国民が待望の大観艦式は、波静かなる横浜沖に海と空を圧する荘厳華麗な海国絵巻を繰り広げました。