『大闇ハウラー伝 ~崩潰と偽りの呪詛~』
「潮が止まる時、われわれも止まろう。誤った世界は終わり、宇つ空の輝きは眠りに落ちる。過ぎる夜、また会おう!諸君」
一面の紫蒼にたなびく靄霧。
浮潟海・ラーキュソの上空に宇(う)く
月明殿に仕えていた七の神官は
突如
生晶・月青光を破壊し、天体の制御を解き、
歪みから流入してきた”魔俗”を指揮し
”黎の軍”の大闇・ハウラーとして立つ。
ハウラーの幼馴染であった街角の風癒師・ネネグは
世界が終わるまでの間、せめても記録を遺さんと
朋友の喉から漏れ出た”呪詛”と”唄”を記していくことになる。
一方、
世界中に”雪片”が降り積もる中
光りだした光石を弄んでいた公子リュラィとイクシは、
石を呑みこんだ緑猫カラットに追いつけないでいた…