これは遠い夢の話。
それは多分、遠い夢のこと。
これはきっと、誰も知らない夢の話。
そこには一面の星空が広がっていた。
風は少し冷たくて、木々が微かに揺れていて、
虫の声が響いていた。
凄く綺麗な星空だった。
都会にいたら、一生見れないような、
ただただ、すごく綺麗な星空だった。
そこには私と誰か、ただ二人だけだった。
たった二人だけ、手を繋いで、
何も言わずに座っていた。
ぼーっと空を眺めていた。
…明日が怖かったんだと思う。
明日になるのが怖かった。
まるで、世界でただ一人きり。
退屈で窮屈な世界に生きていた。
希望なんて見いだせなくて、
生きてる心地がしない、そんな毎日。
世界はとても冷たくて、やさしさもどこかへいってしまって。
そんな感じだった。
あなたもきっと、そうなんだろう。
…でも、一人じゃなかった。
あなたと出会って、そこにはあなたがいて、
それだけがただ、あたたかかった。
それが少しだけ、うれしかった。
明日が怖くても、いつかは夜が明けてしまうんだろうな。
この星空だって、ずっと見てられるわけじゃないんだろうな。
ずっと夜だったらいいのに、なんて。
そう思っても、仕方ないけど。
…でも、あなたがいてくれるのなら、たとえ世界が冷たくたって、
それでもいいかな、なんて。
強くなれないけれど、そう思えたんだ。
もしも、この世界で、いつか笑えるのなら。
幸せだと思えるのなら。
そう思える日が来たらいいな。
そう願った。
夜が必ず明けるように、
もしも、いつかあなたと離れてしまうとしても。
なぜか、また巡り会えるような気がしたんだ。
これは遠い夢の話。
これはきっと、私の空想の思い出の話。
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Lyric
遠い夢を見た
星空の下 ただふたりきり
明日を嫌って 目をそらすように
ただ空を仰いだ
たとえ世界が冷めたものでも
繋いだ手と手は暖かくて
幸せなんて言えないけれど
それでいいと思えたんだ
遠い夢を見た
星空の下 笑ってる君
もしも世界で笑えるのなら
きっとその時は…