――その瞬間。
「何・・・してるの・・・?」
「あ・・・っ」
開かれた扉の傍で立ち尽くしていたのは、亜美だった。
「あ、あのね亜美! 違うの、これは・・・」
咄嗟に口をついて出た言葉は、しかし疚しい心の証明に他ならず、
「な、何が違うって言いたいの真美! 亜美何も言ってないのに!」
「あ、亜美・・・?」
「分かってたよ、ずっと前から! 双子だもん、分かってた! 見て無くても、全部!」
亜美を余計に傷付け、反発させてしまう。
「そう、双子だもん・・・顔も、体も、それに心も・・・一緒だもん」
亜美のすすり泣く音と鼓動だけが、真美を震わせていた。
(次号へ続く)
ホントに続き書いてみた。
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