相変わらず動画じゃありません。馬生師匠の「子は鎹(かすがい)」です。画像は鎹と玄翁(げんのう)。鎹は柱や梁など木材同士をつなぎとめるために打ち込む両端が曲がってコの字型になった大釘。画像左下のマルの中のように使用します。一方、鎹を打ち込むときに使用するのが玄翁。画像にあるような形のものが玄翁で、金槌は打撃面の片方がとがった形のもの。関東の大工が使うのは金槌ではなく玄翁で、鎹を打ち込む場合にも打撃力のある玄翁の方が良いと読んだことがあります。馬生師匠は玄翁ではなく金槌で演じています。確認できる範囲では志ん生・可楽・ざこばの各師匠。玄翁で演じているのは小朝師匠のみ。圓生師匠も金槌で演じていたといいますから、時代・地域により玄翁のことを金槌と読んでいたのかも。