「こんなはずじゃなかった」。日本各地では今、こんな恨み節が聞かれている。地方分権改革のしわ寄せが生活に直結する地方では、疲弊の叫びばかりが聞こえているのだと言う。「豊かな自治」の実現のために始まった分権は、実を結ぶにはあまりにも遠いところにあるのかもしれない。西日本新聞社編集委員の前田隆夫氏に、分権改革の今について聞いた。前田氏は「一番問題なのは、住民に何も実感できるような分権改革がなかったこと。地方分権は、政治・行政の世界と言われがちだが、住む人たちの生活がこんなによくなるという果実をもたさなければ、改革の本旨がない」と述べる。(2007/11/22)
ゲスト:前田隆夫(まえだたかお)西日本新聞編集委員。福岡県筑紫野市出身。1989年西日本新聞入社。豊前支局長、東京支社報道部記者、地域報道センター部次長などを務める。