魔法ならざる魔法、本という名の魔術を操るもの 『夜の写本師』
右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠。三つの品をもって生まれてきたカリュドウ。
だが、育ての親であるエイリャと、淡い恋心を抱いていた少女フィンが、目の前で大魔道師に殺されたことで、彼の運命は一変する。
女を殺してはその魔法の力を奪う、呪われた大魔道師アンジスト。
月の巫女シルヴァイン、闇の魔女イルーシア、海の娘ルッカード、アンジストに殺された三人の魔女の運命が、数千年の時をへてカリュドウの運命とまじわる。
育ての親エイリャの、そしてアンジストに殺され魔力を奪われた女たちの敵をうつべく、カリュドウは魔法ならざる魔法、不可思議な力を操る〈夜の写本師〉としての修行をつむが……。
運命に翻弄される人々の姿を壮大なスケールで描く、本格ファンタジーの新星登場!