常陸国風土記(ひたちのくにふどき)は、奈良時代初期に編さんされた茨城県の地誌です。
地誌、とは、その地域についての地理的現象・風俗・習慣などを記した書物のこと。
奈良時代の713年、元明天皇は全国の事情を把握するため、風土記編さんの詔を出しました。
当時の日本は約60の国に分かれており、その国ごとの状況や文物を調べた風土記が天皇に献上されました。
しかし、奈良時代の風土記の原本はどの地域のものも現存していません。
それでも出雲(いずも)、播磨(はりま)、肥前(ひぜん)、豊後(ぶんご)、常陸(ひたち)の全国でわずか5カ国分だけは、写本が現存しています。
その中でも常陸国風土記は、東日本で唯一今に伝わる貴重な文化遺産です。