笠間市の「楞厳寺(りょうごんじ)」にある木造千手観音立像は1252年に造仏されました。
造りは檜材の寄木造りで、漆箔を置き、玉眼嵌入、水晶で作った目に裏側から色を付け、綿や和紙を挟んで、裏側から押さえ木で固定する方法で作られています。
玉眼陥入という手法は、鎌倉時代の仏師、主に慶派の仏師が多用していました。
頭の上で束ねた髪、髻が高く作られていて、ひだの複雑な作りからも慶派の作風であることがわかります。
背面の刻銘に、笠間城主・笠間時朝(かさま ときとも)の発願による造像である、と記されています。
大正9年の8月16日、国の重要文化財に指定されました。