日時:3月19日(木曜日)14:40-17:10
場所:百周年時計台記念館 1F 百周年記念ホール
セッション名:コンシューマサービス温故知新
iモードサービスとそのコンシューマーサービスに与えた影響夏野 剛 (慶應義塾大学 政策・メディア研究科 特別招聘教授)
【講演概要】一般に「ガラパゴス」と呼ばれる日本独自の技術発展の典型にiモードサービス及び携帯電話が上げられる.確かに2000年代前半においては,世界の中でも日本でだけ,インターネット接続携帯電話が全面普及し,多くのユーザーやコンテンツ事業者にとって新しい経済圏を作り出した.2000年代後半になって,メディアや政府がこのガラパゴス状況を是正するためと称して携帯電話事業者のビジネスモデルに介入し,2008年にスマートフォンであるiPhoneが日本に導入されたことと相まって,日本独自のガラケーは世界共通のスマホに取って代わられることになった.しかし,機能やビジネスモデルを分析してみると,現在のスマホの源流は,2000年代前半に欧米で普及していた音声中心の電話機ではなく,むしろiモード携帯機であるという皮肉な現象も見て取れる.本セッションでは,iモード,iPhone,Androidとその他の携帯電話機についての比較を行い,コンシューマーサービスのトレンドの変化とそのものづくりに与えたインパクト,そしてビジネスモデルについて解説する.
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