日時:3月17日(火曜日)16:35-16:50
場所:百周年時計台記念館 1F 百周年記念ホール
セッション名:特別講演
「ITの,ITによる,ITの為のスーパーコンピュータ研究」IEEE Computer Society Sidney Fernbach 賞受賞によせて松岡 聡(東京工業大学 学術国際情報センター 教授)
【講演概要】スパコンはかつて計算機科学全体,特にアーキテクチャやコンパイラ等を牽引する最先端分野であった.しかし80年代後半からKiller Micro,高性能ネットワークの汎用化,マルチメディアや3Dゲーミング等高性能演算ニーズの発生など,種々要因で高性能ハードのコモディティ化が始まり,基礎研究は計算モデル・言語・ソフトウェアシステムに振れはじめ,駆け出し計算機科学研究者だった自分は,それらを活用する非主流な並列分散ソフトウェアの研究に従事し,既存の主流派スパコンとの圧倒的な性能差に打ちひしがれつつも並列オブジェクト・クラスタ・グリッド・GPUなどに関する多くの「変てこ」な成果をあげた.その後,スパコンが100万並列に巨大化し,その性能向上が電力等の物理限界に制約され始めると,我々の非主流の研究が転じて主流化し,TSUBAMEに代表される新世代の,再び計算機科学を牽引するスパコンに具現化され今日に至る.では今後はどうであろうか?本講演では更なる「変てこ」な将来予測をも語る.
http://www.ipsj.or.jp/event/taikai/77/77program/html/event/K-1.html