オウム真理教による「松本サリン事件」を、フランスの作家がバンド・デシネ作品として描いた『MATSUMOTO』。
その日本語版の巻末で作者のLF・ボレへのインタビューと解説を行った切通理作が、この本の成り立ち等について語る。
フランスでは日本に対する関心が高く、オウム真理教事件についても多くの報道があり、今でも人々の記憶に残っているという。そんな背景があって制作されたこの作品、日本の漫画とは違った、映画的な演出が目を引く。
粛々と事実を描写していく手法で、事件の深層までを浮かび上がらせようとするこの作品を通して、改めてオウム真理教事件とは何だったのかを考える。