評論家・宇野常寛氏を迎え、新刊『母性のディストピア』についてのお話をうかがう。
500ページを超える大著である同書は、アニメ界の3人の巨匠・宮崎駿、富野由悠季、押井守の評論であると同時に、それを通した戦後論であり、現代情報社会論でもあるという意欲作。
従来のアニメ評論ではなかなか踏み込まれることのなかった、各作家の葛藤や限界などについても忌憚なく論じることで見えてくる、作家・作品と戦後の社会とのかかわりや格闘とはいかなるものなのか?
浮かび上がってくるのは、軍隊も民主主義も機能しないまま、経済と文化だけを成熟させてきた戦後日本の姿と、それを象徴する「母性」というキーワードである。
12月2日から2週間、新宿K's Cinemaにてレイトショー公開、切通理作初監督映画『青春夜話』もよろしく!