国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミストであるギータ・ゴピーナート氏をはじめとする3人のエコノミストが21日に投稿したIMFブログで、関税の引き上げにより全体的な貿易不均衡を解消することはないと警告した。
投稿された文章によると、貿易摩擦の深刻化は世界経済にダメージを与えており、IMFの2019-20世界経済成長率予測の下方修正にも一定の影響を及ぼしたという。
二国間の関税引き上げは、貿易を他国へ迂回させることになるため、全体的な貿易不均衡の是正になる可能性は低い。逆に、生産者と消費者のコストを引き上げ、グローバルサプライチェーンを混乱させ、自国や世界経済の成長にも悪影響を及ぼす。また貿易摩擦の深刻化は、WTOなど国際ルール違反を引き起こす可能性も指摘している。
過去10年間続いてきた貿易不均衡を解消し世界経済の成長を維持するには、正しい行動が必要だとした上で、各国は貿易不均衡の根源を見極めて解消方法を求めるべきであり、関税のような逆効果を招く措置をとるべきではないと述べている。