トルコは、リビアの暫定政府として国連(UN)が正当性を認める国民合意政府(GNA)の支援を目的としたリビアへの派兵を承認した。東西分裂が続くリビアで、東部を掌握しているリビア国民評議会は4日、トルコと断交することを決議したと発表した。
リビア国民評議会は声明で、安全保障・軍事に関する協力をキャンセルし、リビア西部を掌握している国連が支援する政府とトルコの間で締結された地中海の「海事管轄権」に関する了解覚書の承認を拒否したと述べた。
また国民評議会は、対立する双方が国連の仲介で2015年に結んだ共同で政府を樹立する政治合意を破棄することも決議し、国民合意政府の承認撤回を国際社会に求めた。
11月27日にトルコとリビアの国民合意政府は、「安全・軍事協力覚書」と、両国の国際法に基づく権利を守ることを目指す「排他的経済水域の境界線に関する覚書」を結んだ。
今月2日、トルコの議会はリビア国民合意政府の要請に応じて、1年間トルコ政府軍をリビアに配備に関する動議を、賛成325票、反対184票で可決した。
東部を拠点とする国民評議会と同盟を結ぶ武装勢力のリビア国民軍は、去年4月初め以来、国民合意政府が本拠地とする首都トリポリとその周辺で軍事行動をリードし、国連が認める政府を倒そうとしていた。攻防戦で数千人が死傷し、12万人以上が家を追われ避難を余儀なくされている。