12日、中国軍事科学院軍事医学研究院の陳薇研究員のチームが開発を進めている組み換え新型コロナウイルス(アデノウイルス媒介)ワクチンの被験者への接種試験が武漢市で始まった。WHOのHPによると、第2段階の人体臨床試験に入った世界初の新型コロナウイルスワクチンとなる。
13日午前、84歳の武漢市民・熊正興さんは娘の熊英さんに付き添われ、組み換え新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた。熊さんは新型コロナウイルスワクチンII期臨床試験に参加した世界最高齢の被験者となる。
I期試験と比べてII期では被験者の年齢層が拡大され、60歳以上の人も参加する。重症患者には高齢者が多く、まずは高齢者らの安全を考えなければならない。
1月26日から開発が始まったこのワクチンは、3月27日までに安全性などを確かめる第1段階の臨床試験が行われ、投与した108人は集中観察の結果、いずれも健康状態良好となっている。
有効性が重視される今回の第2段階の臨床試験では、規模を拡大し、被験者は500人に達する見込みでプラセボ(擬薬)群も導入される。また今回の被験者は14日間の集中観察を受ける必要がなく、接種後に30分の観察を受けた後、副作用がなければ帰宅し日常の活動ができる。ただ、全被験者は14日間毎日自身で健康状態を記録し電話による医療従事者のチェックを受ける。
この他にも、感染能力を失わせたウイルスやその一部を材料にする「不活化ワクチン」など、複数のワクチン開発が進められている。いずれも近いうちに臨床試験の実施や申請が行われる見通しだ。