スペインのバルセロナ大学は26日、同校が率いる研究チームが昨年3月に採取したバルセロナの廃水サンプルから新型コロナウイルスを検出したと発表した。
発表によると、バルセロナ大学のエンテロウイルスチームの研究者が地元の廃水サンプルを検査した結果、昨年3月12日に採取された廃水から新型コロナウイルスの痕跡が見つかった。これに先立ち、同研究チームは今年1月15日の廃水サンプルからも新型コロナウイルスを検出した。スペイン本土で最初の新型コロナ感染症症例が報告されたのは今年2月25日だった。
同研究チームを率いるアルベルト・ボッシュ(Albert Bosch)微生物学教授によると、研究チームはその後、2018年と2019年の廃水サンプルを検査したが、現時点では2019年3月12日のサンプルだけがPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)で陽性となり、ウイルスレベルは非常に低く、他のすべてのサンプルの検査結果は陰性だったという。教授は、バルセロナは観光産業が盛んで観光客が多く、この研究結果は世界の他の地域でも同様の状況が起きていたが、多くの症例がインフルエンザと誤診されたため見落とされた可能性を示唆していると主張した。