Storyline
家族を養うことは容易なことではない。中国北西部の新疆ウイグル自治区に住む男性は、より良い未来のために、家族を残して遠くへ出稼ぎに出るという苦渋の決断をした。
これは、中国国際テレビ(CGTN)が16日に公開した新しいドキュメンタリー「天山南北~新疆での生活」で語られた数々の物語の一つだ。この80分間のドキュメンタリーは、新疆ウイグル自治区に住む24人の感動的な物語を取り上げ、社会経済が変化する中で彼らの生活がどのように変化してきたかに着目し、地域内外の固定観念を打ち破り、誤解を解くことも目的としている。
3人の男の子の父親であるMettohti Memet Rehim氏は、荒涼としたタクラマカン砂漠と崑崙山脈の間に位置する新疆ウイグル自治区南部のホータン地区チラ県(策勒県)で農業を営んでいた。
幼い息子たちや家族により良い生活をさせたい、そう考えた彼は、中国東北部の遼寧省にある大連市で新しい仕事の機会を探そうと決意した。
<Mettohti Memet Rehim氏>
「家では作物を植えて生計を立てるしかなく、生活は豊かではなかった。私は貧しさを克服して、より良い生活をしたいと思った。だから、沿岸部に出稼ぎに出ると決心し、生活を豊かにしようと思ったんだ」
Memet氏が出稼ぎに行っている間に、幼い息子たちはすくすくと成長し、両親の大変さを理解するようになった。
<長男 Abletくん>
「私の2人の弟は、とても手のかかる子だ。父は彼らを躾けるのに苦労していた。今では父のことをよく理解できるようになった。今私は母の力仕事や家事を手伝っている」
父親と離れるのはつらいが、長男は父が自分たち家族のために頑張っているのを理解しているという。
最愛の息子たちと離れ離れになって苦労はしているが、Memet氏は新しい仕事にすっかり馴染んだという。そして、新疆の新世代の人々に外の世界を探検することを勧めた。自身がそうであったように、彼らにも中国の他の地域で新しい可能性をつかむチャンスがあると語った。
<Mettohti Memet Rehim氏>
「定職や安定した収入のない故郷の若者には、外に出て工場や会社で働き稼いでほしいと思っている。ここで一緒に働く人たちは私の家族のようなものだ。そして、ここでは安定した収入が得られ、自分の生活をより良くすることができる」
勤勉な父親のオープンな精神に感化され、息子たちは冒険心を刺激され外の広い世界を夢見ている。
<長男 Abletくん>
「私たちは新疆以外のところへ行ったことがない。家族も父以外に外の世界を見に行った人がいない。私はここで生まれ育ったので、外の世界を見たことがない。父とビデオチャットをしていると、いつも父が羨ましくてならない。私も父と一緒に外へ行きたい」