今回扱うのは、第六十九段。
一部紹介すると…
書寫の上人は、法華讀誦の功積りて、六根淨にかなへる人なりけり。旅の假屋に立ち入られけるに、豆の殻を焚きて豆を煮る音の、つぶ\/と鳴るを聞きたまひければ、「疎からぬ己等しも、うらめしく我をば煮て、辛(から)き目を見するものかな。」といひけり。
兼好法師はかなり合理的な人というイメージがあるが、たまに不思議な話も書いている。
これもその一つで、仏教最高の経典とも言われる法華経を読み続け、心身全て清らかな境地に至った上人には、普通の人民にはとてもできない特殊な能力が備わるという話なのだが、その特殊な能力というのがなんと…
信心や修行についての話となると、ちょっと扱いが変わってくるところが面白い。