アナーキーとは無政府状態、すなわち自身で自身を統治しうる状態を指す。本報告では現代列島社会における「公共性」構築の困難さ、排他性の淵源を、権力の分散と社会集団形成が同時に生じた中世社会に求め、改めて「自治」の意味を問い直したい。中世社会の「無秩序性」をアナーキーとして見出すのではなく、中世社会における排除の事例から来るべき現実=アナーキー生成の可能性を探る。誰がある場所での存在を認められ、誰がある場所から追放されるのか。排斥と抑圧に張り裂けた「今」だからこそ、追い出された「場所なき者たち」の歴史を可能なかぎり拾い集めてみたい。
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