全国有数の茶の生産地である福岡県八女市では、新茶の摘み取りが始まっています。海外での健康志向を受けて、緑茶の輸出額が過去最高を更新する一方で、生産地では人手不足が深刻化しています。
◆“人手不足”茶の生産者は
全国有数の茶の生産地、福岡県八女市です。今年は八女茶発祥から600年の節目となりますが今、大きな課題に直面しています。
RKB原口佳歩「新茶のシーズンを迎えている八女市では、人手不足が課題となっています」
八女茶の生産者、古川明俊さんです。18日は朝から鮮やかな緑色の茶葉をつくるため、シートで覆いをかける作業を行っていました。所有する茶畑は約8万平方メートルあり、作業は体力を要するため、社員とは別に臨時でアルバイトを1人雇いました。
古川明俊さん「新茶の時期は非常に人手がいるということで、人材派遣のアルバイトを募集してやっていますけど、なかなか続かない」
これから茶の摘み取りが本格化すれば、さらに人手が必要になります。
古川明俊さん「あと2人いれば、どうにか余裕を持ってできるかなと。頑張ってやって、いいお茶を作ってやっていけば十分採算が合いますから、やればやるだけ収入が上がるというような道を自分としては作っていきたい」
◆緑茶の輸出額“過去最高を更新”
海外では健康志向を受けて日本茶の人気が高まり、おととしの緑茶の輸出額は前年比26%増の約204億円余りと、過去最高を更新。ニューヨークでは八女茶を扱う店もオープンしています。市場の拡大が期待される一方で、生産地では高齢化や後継者不足などを理由に、廃業する人も少なくありません。
◆八女茶関連の求人「特設ブース」も
JAふくおか 女性スタッフ「お茶の魅力を再認識してもらい、お茶業界の繁忙期であるこの時期に、地元の重要な産業であるお茶の仕事にも目を向けていただきたい」
この状況を打開しようと18日、八女市では茶に関する仕事の魅力を知ってもらう説明会が開かれました。
JAふくおか八女茶作業部会 江島一信部会長「日本にこれだけ素晴らしい八女茶があるということを誇りに、現場でいろんな方々が躍動的に働いていただければありがたいなと思います」
説明会に合わせ、ハローワーク八女には八女茶関連の求人に特化した特設ブースも設けられています。
説明会の参加者「配送とかそういうのもあったから、短期間でも地元のためになることなら少しは貢献したいかな」
ハローワーク八女 樋口留美所長「八女茶で地域経済の活性化を図ろうという機運が高まっている。八女茶に興味を持って頂いて仕事にチャレンジしていただければと思っております」
発祥から600年を迎えた八女茶、日本茶ブームの裏で生産地は岐路に立っています。