松川の海には、背中に磯のような藻が生えたサメが棲み、一部の漁師から 『松川様』 と敬われていた。ある日、殿様が松川を散策していると、松川様に遭遇した。人を襲う恐れのあるサメだと聞いた殿様は弓で松川様を射止めた。その後、殿様が荒れた川を渡ると、弓の刺さった松川様が襲いかかってきた。川を渡りきると愛馬は息絶えてしまい、殿様は愛馬の死を悲しみ、馬頭観世音を建て馬の霊を祀った。/くじらの夫婦が、信州の小海が素晴らしいところだと聞き、海を出て移り住もうとした。小海を目指していると松の木の精が現れ、小海は山だと言う。くじらの夫婦はがっかりしたが、松の木の精は 「小海に海はないが、山は海に豊かな水を届け、海を支えている」 という。くじらの夫婦は山と海は繋がっていることを知り、海に帰っていった。/海でおじいさんが牛を洗っていると、海中から河童が牛の尻子玉を抜こうとした。捕まった河童は命乞いをし、「二度と悪さをしない」という証文を書き、 毎朝、魚を届けることを条件に許してもらう。翌朝、 軒先に河童の詫び証文と魚が届いた。 欲が出たおじいさんは、魚がたくさんかけられるよう、鉄の鉤が幾つもついたものを軒先に置いた。しかし、河童は鉄が苦手だったため翌朝から魚は一つも届けられなくなった。
出演:立川志の太郎、山本真由美、四宮豪、冨田泰代
監督:沼田心之介
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