今回はマーカス編。マーカスと、年老いた大芸術家カールの住む家にお邪魔します!
▼YouTubeのURL
https://youtu.be/gkZHvkbg5Fo▼再生リスト 続・デトロイト×精神科医
https://www.youtube.com/playlist?list=PLHwJVrfn8ZGLnUYW_TIyE5LPEP8kPy-ML【腕の彫刻について】
作者:robert graham
作品名:Monument to Joe Louis (the Fist)
ジャック・ジョンソン以来、黒人ボクサーとして史上二人目の世界ヘビー級チャピオンになったジョー・ルイス。彼に捧げられたこの彫刻には「反-人種差別の意図が込められている」...と、英語版wikipediaには書かれていました。
それを読んで「お、さすが『デトロイト』!」と思ったものの、いまいちソースがはっきりしないので、ちょっと追加で調べてきました。とりあえずwikiはこちら↓
https://en.wikipedia.org/wiki/Monumen...*
結論から書くと、この作品に「反-人種差別の意図」を読み取るのは普通にアリかなという感じ。以下、箇条書きで整理します。適当に書いてたら意外と長くなってしまいましたがご容赦を!
・20世紀前半に活躍した伝説的なボクサー、ジョー・ルイス。彼は(当然ながら)現代以上に苛烈な人種差別の中を生きていました。
・セコンドはジョー・ルイスに対して次のようにアドバイスしていたそうです。「チャンピオンになるためには、まず紳士でなければならない。ほんとうの闘いはリングの中ではなく、リングの外にあるんだ。絶対に相手の悪口をいうな。試合の前は相手をほめあげろ。おなじようにほめるんだ。それから白人を倒したあとは、絶対に笑うな」。最後の部分をもう一度引きます。「白人を倒したあとは、絶対に笑うな」。
・1930年代、イタリアではムッソリーニが、ドイツではヒトラーが政権を握り、アメリカ国内に反-ファシズムの感情が高まる中でルイスはイタリア、ドイツ両国のチャンピオンを相次いでKO。黒人からも白人からも愛される国民的英雄となりました。
・さらに第二次大戦に際しては陸軍への入隊を自ら志願。不動の人気を獲得するわけですが、ルイスのこうした活躍、模範的態度は、大戦後に差別的な制度が撤廃されていくための大きな推進力になったそうです。参照↓
「米国プロスポーツ界における差別問題に関する序論」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/...・また、ナチスドイツのチャンピオンを破ったことに関してはそれを「アーリア人の優越性」云々といった、人種差別的なイデオロギーに対する勝利...として受け止める向きもあるようです。参照↓
http://www.dailydetroit.com/2015/07/1...・四角錐を拳が突き破るような形をした彫刻は、ルイスの闘い、「リングの中ではなく、リングの外に」もあった闘いを表現したもの、と考えて良さそうです。
・また柱だけの四角錐は、スカスカのピラミッドのようでもありますね。これを「人種差別的な空虚なヒエラルキーを象ったもの」といったふうに解釈するなら、それをルイスの腕が突き破る構図の意図するところは一層明白な気もしてきますよね。差別に対する闘争、そして勝利?
・ま、「ルイスの腕がもぎ取られ、宙吊りになったまま静止させられている...」みたいに皮肉な解釈をすることだってできそうですけどね!
・それさておき『デトロイト』のオープニングでこれが映された意味を深読みするのもちょっと面白そうな気がしてきました。さきほど私はルイスの腕を吊り下げているフレームを人種差別的なヒエラルキーに重ねて読みました。でもそういえば、『デトロイト』の作品内でもこういう三角形ってよく目にしますよね。そうそう、サイバーライフ社の制服についてるあのマークですよ。ということは.......。
・ちなみにあの彫刻ってストーリーの後半でも出てきたりしましたっけ?
・自分は全然記憶にないんですが、もしそういう象徴的な意味あいを強調するような演出があったら面白いなーと思いました。どうだったかなー。
・もうこれはラストまで収録やるしかないかぁ...。いやー名作〜!
(了)
【出演者】
名越康文
精神科医。ご自身のチャンネルでもゲーム実況たくさんやってます!↓
名越康文TV シークレットトーク
https://www.youtube.com/c/nakoshiyasufumiTVsecrettalkいいだ
編集者。ツイッタランドによくいます。
https://twitter.com/UraIida【ネタバレ注意】
『Detroit』は無数のエンディングに向けて細かく物語が分岐していきます。自分でプレイしてから動画を見る。この動画を見てからプレイしてみる。どちらも違った楽しみがあるとは思いますが、まずまっさらな気持ちで作品を楽しみたいかも?という未プレイ勢はぜひ先にプレイしてみてください。やって損はない名作だし(いやまじで)、10〜15時間程度で一周行けますよ!!
【制作関係者】
editor:Kawanobe Yukinori & Iida
art direction/design:KANAISASAKI
motion design:Oka Hiromu
music:Hercelot
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ゲームさんぽとは...?
いろんな人と一緒にゲームをやって、視点の違い、もっと言えば世界の見え方の違いっぷりを楽しむ動画シリーズです。よければ発案者である「なむ」さんのサイトにもお参りして、企画の歴史を辿ってみてね!
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