今シーズン全国で初めてとなる高病原性の鳥インフルエンザが佐賀県鹿島市の養鶏場で確認され、約3万8000羽が殺処分されました。昨シーズンは全国で発生が相次ぎ、卵の価格が高騰しただけに影響が懸念されています。
◆佐賀県鹿島市の養鶏場で確認
25日、佐賀県鹿島市の養鶏場で確認されたH5亜型の高病原性鳥インフルエンザ。佐賀県は、農場で飼育していた採卵用のニワトリ約3万8000羽を殺処分しました。
佐賀県が開いた対策会議では、「ウイルスを封じ込め感染拡大を防止すること」が確認されました。
◆茨城県の養鶏場でも
一方、茨城県の養鶏場でも27日、今シーズン2例目となる鳥インフルエンザの陽性が確認され、約7万2000羽の殺処分が始まりました。
◆昨シーズンは全国26の道・県で発生
鳥インフルエンザは昨シーズン、佐賀県武雄市や福岡県糸島市の養鶏場など全国26の道と県で発生し、過去最多となる約1771万羽が殺処分されました。その影響は、「物価の優等生」と言われてきた卵の価格にも表れています。
◆懸念される卵の価格への影響
JA全農たまごによりますと、福岡地区での「たまごMサイズ」1キロあたりの平均価格は、エサ代の高騰の影響で上昇を続け、鳥インフルエンザが確認された去年10月にさらに上昇。今年5月まで4か月連続で過去最高値を記録しました。
11月には去年とほぼ同じ水準まで落ち着いていましたが、今シーズンも発生が続けば再び価格が上がることが懸念されます。
消費者は
「価格的には下がったら助かると思います。ほとんど毎日食べるので」
「ちょっとどうにかしてもらわないと。今、全部が値上がりしているから」
◆専門家「カラスでの感染事例も」
国の疫学調査チーム長を務める専門家は、鳥インフルエンザは今シーズンも流行するおそれがあるといいます。
鳥取大学 山口剛士教授(農学部 共同獣医学科)
「昨年と同様にカラスでの感染事例もポツポツと出始めています。養鶏場にも非常に近い動物ですので、現状では昨シーズンより遅いペースではありますが、リスクは昨シーズン同様に存在すると考えていいと思います」
農水省によると、「人に感染する可能性は極めて低い」ということですが、生活への影響は小さくありません。
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https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/860002