福岡市の7つの区にある保健所を一元化する条例案が19日、福岡市議会で可決されました。市議や市民団体から「議論が拙速」「説明が不十分」などの声も上がっています。
◆保健所を一元化するための条例案
福岡市は保健所の機能を強化するため、7つの区にそれぞれある保健所を中央区の「あいれふ」に集約する条例案を12月議会に提出しました。
◆1990年代後半から全国で保健所の統廃合が進んだ
1990年代後半から全国で保健所の統廃合が進むなか、福岡市は他都市と一線を画し各区に保健所を残しました。現在、政令市の中で各区に医師が常駐する保健所が残っているのは福岡市だけです。
◆福岡市「機能強化のため」
福岡市は保健所を一元化することで「指揮命令系統が明確化され、広域的な機能が強化される」と説明しています。また、乳幼児検診や障がい者支援などの窓口業務はこれまで通り各区で行うため、市民への影響は少ないとしています。
◆市民団体「コロナ禍経てなぜ?」撤回求める
これに対し、市民団体は保健所職員の人員が削減されるおそれがあるなどととして条例案の撤回を求めていました。
福岡市から政治をかえる会 内田大亮事務局長
他の政令都市ではすでに一元化されているんですけど、新型コロナで亡くなった方が非常に多くなったとか、そういう問題点があるので、コロナ禍を経てわざわざ7区にある保健所をなくしてしまうということは無謀だなと
◆条例案は賛成多数で可決
条例案の提案からわずか1週間あまり、市議からも「議論が拙速で説明が不十分」などといった声も上がるなか、条例案は賛成多数で可決しました。
◆人員削減される?市長は
市民団体が危惧する人員削減はあるのでしょうか?
福岡市 高島宗一郎市長
「人員削減が目的ではないので、基本的に人が減るというようなものではないという認識です。コロナでなくてもこれからも別の形での感染症ということも当然あり得るわけですので。地域全体での戦略を立てて実行できるような体制づくりが大事だと思っています」
◆2024年6月以降 保健所ひとつに
福岡市は2024年6月以降の早い段階で保健所の一元化を実現させたい考えで、組織編成案を3月議会で提案するとしています。
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https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/902933