前回は飯縄三郎坊という烏天狗の飯縄大権現について高尾山を中心とする飯縄大権現信仰についてお話しましたが、今回は、「飯縄信仰」の中でのもう一つの要素「飯縄(いづな)の法」に基づく「クダ(管)狐」に纏わる信仰と伝承についてお話していきたいと思います。
戸隠山と飯綱山と高尾山は「飯綱(飯縄)」信仰繋がりなんですが、戸隠は「飯縄の法」から発展した験術(日本の忍者などのルーツとなる)が中心で、飯綱山は「飯縄の法」で使役すると言われる「クダ(管)狐」に纏わる信仰、そして高尾山では「飯縄の法」やクダ狐とは無縁で、狐=ダキニ天とする真言密教の影響が圧倒的に強く、ダキニ天法と修験道の不動明王、そして中国から伝わって日本で形成された天狗のイメージとの習合による「飯縄大権現」(飯縄三郎坊・天狗)の信仰が中心となります。
今回は、飯綱山を中心に発生した「クダ狐使い」が江戸時代以降には全国に様々な形で伝わり、日本中を覆うように様々なクダ狐繋がりの迷信が広がり、それがなんと今日まで残ってることについてお話をします。