伯耆大山(ほうきだいせん)は2018年に開山1300年を迎え、盛大なイベントが行われていましたが、今でも信仰の中心は大山寺(だいせんじ)を中心とした地蔵菩薩信仰であり、天台系の山伏たちが法螺貝を吹き、柴燈護摩を焚くという儀式が行われています。
大山の開山伝承では、8世紀に猟師の従道が大山で金色の狼を射止めようとしていたところ、地蔵菩薩が現れ、一瞬で改心して仏道に入り、名を
金蓮(こんれん)と改めた、という話が伯耆大山の開山伝説となっています。
9世紀以降は天台宗(比叡)の進出により、慈覚大師(比叡山第二世座主・円仁)伝説などが加わり、天台修験の一大拠点となります。
戦国時代の戦乱で一時期衰退しますが、江戸時代になると伯耆国出身の豪円という天台僧が比叡山や伯耆の大山寺を復興し、再び信仰の復活を見ます。
明治には政府により信仰の中心の大山寺が破壊され、大神山神社が建てられますが、明治35年には地元の信者たちにより大山寺は復活し、今日まで伯耆大山信仰の中心となってきています。