「精神病や障害は遺伝する」という強制不妊手術の根拠について、1970年代に医療関係者や国会から疑問の声が上がっていたことが分かりました。
精神科医の野田正彰氏(74)は1973年に論文で「精神病は遺伝ではなく、環境が要因ではないか」と不妊手術の根拠に疑問を投げ掛けていました。同じ年、国会でも「知的障害は遺伝する」という教科書などの記述について批判の声が上がっていました。野田氏によりますと、1980年ごろまでに教科書から「障害などが遺伝する」というような文章はなくなっていった一方で、強制不妊手術については続けられていました。
精神科医・野田正彰氏:「分裂病とか躁うつ病は遺伝するから。そういう考え方が日本の市民社会の常識になってしまって、ゆがんだね。それを訂正するためには今、生きている人にはもちろん、行った人と国が謝罪をしないといけない」
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