続く第3レース。同じく小倉レース場、芝2000mの中距離レース。
ここまでは順調に勝てている。
無敗の勝利が見えている。
そう思うと、緊張と、興奮で震えるのがわかった。
「へっ、ここからが本番だ」
ウオッカが並んできた。
「今までのは前哨戦、ここから3連勝でまくり返すってのが、一番カッコイイだろ」
「いいえ、このまま全勝で終わらせる、それが一番」
横目で見合い、フッと笑みがこぼれる。
少しだけ震えが止まったような気がする。
「なるほど。全勝の前哨戦か。これは一本取られたな」
そこにやって来たのは皇帝シンボリルドルフ。
「一本取られたままで終われない、善処しよう」
二人の皇帝は踵を返していった。
「おい、飲んでないのに酔っちまったのか?会長が二人に見えたぞ」
ハハハ、と乾いた笑いで流した。
「で、どういう展開にしたい?」
ミーティングでシンボリルドルフが問う。
「そうですね、相手の会長も怖いところですが、一番はスーパークリークさんでしょう」
「そうですわね、肌の艶も良く、最終直線での競合いになるのは確実でしょう」
「なので私とマックイーンでブロックしながら、最終直線で抜く、これが最善です」
「いい作戦だ。ウオッカはこっちでマークしよう(マックだけに)。……いいレースを」
各ウマ娘がゲートに入っていく。
実際のところ、総合力では負けていない自信はある。
しかしトップスピードとパワーは格上だ。
レース展開で抑えなければ、勝ちはない。
ちらっとマックイーンに目をやる。
この作戦はどちらかと言うとマックイーンが有力。
高速ステイヤーのスーパークリークが、中距離に調整したこと。
同じくステイヤーであるマックイーンの息を入れるタイミングの違い。
2000mという長さ。つけ入る隙は、そこにある。
「だからって、レース中に紅茶を飲んでる場合~!?」
第1レース:
sm38651925第2レース:
sm38618135ウマ娘:
https://www.nicovideo.jp/series/210400※前作等はシリーズからご確認ください。